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第2章.質量の完全消失
この章の概要と結論 慣性質量の消滅 この章の内容が本論の基本構造となる。 論理的証明
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結合エネルギーが(結合物体の総質量m×c^2)に等しくなれば、結合しエネルギーが放散後の慣性質量mは消失する。
これは時間軸の無限の伸長により真の質量m0の3次元断面がゼロになったもの。
真の質量m0は4次元時空で厳密に保存される(不変量)。
外部観測者には結合物体の固有時間 T が下式のようになったと観測される。
T=(m0-Ef/c^2)/m0 m0:結合物体の真の質量 Ef:結合エネルギー(ポテンシャルエネルギー)
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2-1.結合エネルギーが極端に大きい場合には質量がゼロになる
ここで結合エネルギーが極端に大きい状態を想定してみる。思考実験で物理定数を極端に変えてみても、同じ基本法則が適用できるはずであるから、物事の本質を見極める手段としてしばしば使われる方法である。
もし結合エネルギーが物体Aと物体Bの真の質量の和( E=mC2でエネルギー換算)に等しい場合にはどうなるだろうか? まずmA=mBの場合について考察する。
結合エネルギー Ef=(mA+mB)C^2 mA:物体Aの質量 mB:物体Bの質量
両者が結合していく事により両発電モーターはEfのエネルギーを取り出すので、質量エネルギー保存則より物体Aと物体Bの慣性質量の和はゼロに近づいていき、最終的にはゼロになる。その段階て発電モーターを回す事はできなくなる。これは一見すると質量が電気エネルギーに変化したかのように観測される。
次に発電モーターにエネルギー(電力)を供給して両者をゆっくり引き離していく。完全に引き離すまでには両モーターにEfに相当する電力を供給しなくてはならない。完全に引き離されると慣性質量も元の値に回復する。これも一見すると電気エネルギーが質量に変換されて物体Aと物体Aが作られたかのように観測される。
しかし実際には供給した電気エネルギーが物体Aと物体Bを作っているわけではない。この事はこれら物体を人間だと思えば納得できる。人物Aと人物Bは結合エネルギーを放出して、たとえ質量がゼロになり消失したとしても、もう一度エネルギーを供給して引き離せば、元の人物に回復する。エネルギーが都合よくゼロから人体を再現するなどということはあり得ない。
これら人物の座標では自分が何ら変化するわけでもなく、体重も変化しない。質量が消失したように観測されるのは外部観測者の視点(座標)から見た変化である。
例えば重力場は時間の進み方に関係なく存在するので、結合によって慣性質量が減少,消滅しても重力場,電場等は存在し続ける。発電モーターを回す力が無くなるのは真の質量は存在しつづけ、重力場は存在するものの、重力場で力を受ける慣性質量が観測者の視点から見てゼロになったためである。
慣性質量が減少したと観測されるのは時間軸の変化で説明できる。これについては後で詳細に検討するが、4次元時空に存在するこの物体の時間軸が伸びることにより、4次元時空の時間軸断面である3次元空間での慣性質量が減少する。そして3次元空間には慣性質量減少分を補う形でエネルギーが現れる。つまり3次元空間では質量項とエネルギー項の和が保存される。後で解説するが、「慣性質量m=質量項+エネルギー項=一定」であり、質量項は「真の質量の時間軸断面」,エネルギー項は「エネルギー/c^2」である。
2-2.結合エネルギーが(真の質量×c^2)に達する例
重力結合においてはこのような条件は確実に存在する。重力は総質量が大きくなればなるほど結合エネルギーは無限に増大していく、という特異な性質を持つためである。
物体A(質量mA)と物体B(質量mB)の重力結合エネルギー Ef は下式で表される(ニュートン理論)
Ef ≒−G*mA*mB/L G:重力定数 L:2物体間距離
2物体が太陽程度の質量,密度では結合エネルギーはさほど大きくならないが、Ef
がmAとmBの積に比例する以上、mA,mBが極端に大きくなれば Ef≧(mA*mB)c^2
となるだろう。
Lが制限要因になると言われるかもしれないが、質量は密度が同じでも半径の3乗に比例で増大していく(m=3/4πr^3×密度)。その為に2物体間の距離Lを十分にとっても、また2物体の密度が非常に低くても、ニュートン理論の誤差を考慮しても結合エネルギーが(総質量×c^2)を超える条件が存在することは間違いない。
また星の自己重力収縮に伴う重力結合エネルギー Ef は下式で示される。
Ef ≒2Gm^2/r m:星の質量 r:星の半径
ここでも Ef はmの二乗に比例するので、質量mが極端に大きくなれば Ef
≧mc^2 となりうる。また r が極端に小さくてもこの条件を満足するであろうが、その場合には高密度である必要があり実現は困難な場合がある。
mが通常の星(太陽)程度の質量であればrが数kmとなり極めて高密度になってしまうが、mさえ巨大になれば例え真空に近いような極めて低密度状態でもこの条件は達せられる事になる。
例えばmがこの宇宙全体の総質量程度あれば、この宇宙の平均密度程度(極めて希薄)でもこの条件は達せられる。
後記するが、重力結合エネルギーが総質量エネルギーに等しくなる半径は
r≒2Gm/c^2
ここで宇宙の総質量を10^53 kg 程度と見積もるとすれば、
r=2*6.672*10^-11*10^-53/(3*10^8)^2 =4.45*10^26m
= 470×10^8 光年。
つまり約 1000億光年程度の範囲に宇宙の総質量が分布すれば、重力結合エネルギーが(宇宙の総質量×c^2)に達する。
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の構築へ
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